編笠山~西岳(南八ヶ岳)・厳冬の静寂、八ヶ岳核心部を望む特等席

はじめに

厳冬の八ヶ岳。その南端に位置し、見事な円錐形の山容を持つ編笠山。これまでは観音平からのアプローチが一般的だと思い込んでいましたが、今回は富士見高原スキー場から手軽に登れるルートを選択しました。

当初はシンプルなピストン山行を予定していましたが、せっかくの好天。欲張って西岳まで足を延ばす周回コースを計画しました。膝を労わりつつ、静寂に包まれた雪の森へと足を踏み入れます。

日付

2026年01月17日

天候

快晴・風強め

歩行距離

14.3km

登り(累積)

1,392m

下り(累積)

1,393m

行動時間

8時間37分

登山レポート

モルゲンロートに染まる甲斐駒ヶ岳

07:06 富士見高原リゾートを出発

日の出の少し前にスタート。振り向けば、朝日に染まる甲斐駒ヶ岳が美しいモルゲンロートを見せてくれました。身の引き締まるような冷気の中、最高の幕開けです。

雪の残る林道

雪の現れ始めた林道

駐車場やスキー場下部には全く雪がありませんでしたが、少し高度を上げると林道にも雪が残り始めました。まだアイゼンは不要ですが、足元の感触が変わってきます。

合流地点と複雑な分岐

【要注意】迷い込みやすい分岐点

序盤は林道が複雑に交差しており、前をしっかり見ていないと、つい広い林道の方へ吸い込まれてしまいそうになります。標識を一つずつ丁寧に見落とさないことが、このルートをスムーズに歩くコツです。

長い樹林帯を抜ける

山頂直下に出るまでは、視界の限られた長い樹林帯の登りが続きます。景色はありませんが、トレースはバッチリあり、淡々と高度を稼ぐには快適な道です。

編笠山頂直下の岩場

山頂直前の踏ん張りどころ

山頂直下は大きな岩が重なり合い、雪の付き方によっては少し登りにくさを感じます。踏み抜きに注意しながら、一歩一歩慎重に岩を越えていきます。

編笠山頂からの八ヶ岳核心部

11:15 編笠山 山頂

登り切った先に待っていたのは、八ヶ岳のオールスター達。左から権現岳、その奥に横岳、そして威風堂々たる赤岳と阿弥陀岳。ここからの眺めは、まさに「特等席」と呼ぶに相応しいものです。

富士山と甲府盆地

反対側に目を向ければ、霞む甲府盆地の向こうに富士山。風が強く長居はできませんでしたが、蒼天の下で見るこのパノラマは、冬山登山の醍醐味そのものです。

北東斜面のもふもふ雪

青年小屋へ続く白銀の道

編笠山頂から青年小屋へ。北東斜面側は日当たりが少ないためか雪が多く、感触は「もふもふ」。トレースがしっかり固まっていたため、チェーンスパイクのまま快適に下ることができました。

青年小屋の佇まい

「遠い飲み屋」の愛称でおなじみ

ひっそりと雪に埋もれる青年小屋。冬のこの時期は静寂そのものですが、テント場(写真下)は一面の白に覆われ、まるで時間が止まったかのような美しさでした。

一面真っ白なテント場
西岳への雪深いルート

西岳までのトレース状況

西岳への道も比較的雪が多く残っていましたが、ここでもトレースがしっかりと導いてくれました。ワカンが必要になるかと思いましたが、終始チェーンスパイクのみで押し通せるコンディション。雪山らしい景色が続きます。

西岳山頂からの展望

13:08 西岳 山頂

西岳の山頂からは、歩いてきた編笠山とその背後に聳える権現岳が一望できます。編笠山頂に比べると風が穏やかで、日差しの温かさに誘われてついうとうとしてしまうほど。贅沢な休憩時間を過ごしました。

車窓からの山並み

最後は再び樹林帯を無心で下り、夕暮れ前に無事帰還。帰りの車窓からは、今日歩いた白銀の稜線が遠ざかっていくのが見えました。

アクセスとアドバイス

駐車場・アプローチ

「富士見高原リゾート」の駐車場を利用。序盤は林道が何度も交差するため、地図アプリや標識を確認し、吸い込まれないよう注意が必要です。また、不動清水付近などの水場情報は事前にチェックしておくと安心です。

装備・路面状況

  • 足元: 今回は全行程チェーンスパイクで歩けましたが、12本爪のアイゼンやピッケルは携行しましょう。降雪直後などはワカンや携行も視野に
  • 防寒: 編笠山頂は風が強く吹き抜けます。ハードシェルは必須。逆に西岳は比較的穏やかでしたが、汗冷えには注意が必要です。
  • 膝への配慮: 下りの樹林帯は単調で長く、膝に負担がかかります。サポーターやストックの活用が有効です。

おわりに

編笠山・西岳の周回は、八ヶ岳の核心部を「眺める」という点において最高のルートの一つだと改めて実感しました。

序盤の迷いやすい分岐や山頂直下の岩場など、気を引き締めるポイントはありますが、それ以上の充足感が待っています。冬の静寂と白銀のパノラマを求めて、ぜひ万全の準備で訪れてみてください。

ルートマップ・標高グラフ

Yamatavi

Article by

Yamatavi

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