乗鞍岳・厳冬期の白銀世界へ

はじめに

一年の締めくくりとして選んだのは、北アルプスの南端に位置する名峰・乗鞍岳でした。 近頃は登山不足で体力の衰えを感じることも多く、左膝の具合も万全とは言えません。「無理なら途中で引き返そう」——そんな穏やかな、ある種消極的な心持ちで松本へと車を走らせました。

しかし、そこで待っていたのは、厳冬期ならではの澄み渡る蒼天と、身の引き締まるような氷の世界。 静寂に包まれた雪原を歩むうちに、また偶然の同行者の支えもあり、いつしか心は山頂への情熱を取り戻していました。

日付

2025年12月29日

天候

快晴のちガス

歩行距離

17.1km

登り(累積)

1,475m

下り(累積)

1,475m

行動時間

9時間40分

山行レポート

朝焼けの休暇村

06:17 休暇村乗鞍高原を出発

朝焼けが空を染め始める頃、静かに出発します。周囲には同じ時間帯にスタートする登山者も多く、ほどよい活気を感じながら、まずはスキー場エリアへと足を進めました。

位ヶ原のテント村

樹林帯を抜けて

長い樹林帯を黙々と歩き、視界が開けるとそこは位ヶ原。広大な雪原には、テントがいくつか設営されていました。ここまでのトレースのおかげで、膝を労わりつつ体力を温存できたのは幸いでした。

山頂と肩の小屋への道

高度を上げるにつれ、風がその牙を剥き始めます。目指す山頂(写真左)を仰ぎつつ、まずは右手の肩の小屋方面へ。ここからはもう、厳しい冬の風を遮るものはありません。

肩の小屋口での装備変更

10:13 肩の小屋口にて装備を整える

雪に埋もれた小屋口付近で、アイゼンとピッケルへ切り替えます。身を切るような風の中で装備を整える時間は、山と対峙するための神聖な儀式のようでもあります。

山頂の鳥居

12:30 乗鞍岳(剣ヶ峰)山頂

氷を纏った鳥居が出迎えてくれました。標高3,000メートルを超える高嶺。ここまで導いてくれた幸運と、歩ききった自身の脚に深く感謝しました。

山頂からの御嶽山

山頂から南を望めば、御嶽山が威風堂々たる姿を見せていました。この圧倒的な景色が、寒さや疲れを一瞬で忘れさせてくれます。

筆者とダウンミトン

「見た目は大げさ、性能は抜群」

今回の山行を支えてくれた、モンベルのダウンミトン。強風の稜線でも指先が凍えることはなく、非常に快適でした。

アクセスとアドバイス

駐車場・移動

今回は「乗鞍高原 第7駐車場」を利用しました。朝から多くの登山者が集まるため、早めの到着が吉です。下山後は近くの温泉宿で疲れを癒すのが、この季節の最高の贅沢です。

装備への配慮

  • アイゼン・ピッケル:肩の小屋から上では必須です。
  • ミトン:風が強いため、防風性の高い厚手のものを推奨します。
  • サポーター:下山は膝に負担がかかります。不安な方は積極的に活用を。

おわりに

膝の痛みを抱えながらの弾丸日帰り山行。確かに身体は疲れ果てましたが、冬の乗鞍が与えてくれた充足感は何物にも代えがたいものでした。

厳冬期の3,000m峰は、決して楽な道ではありません。しかし、その先にある蒼天と静寂は、日常の喧騒を忘れさせてくれる至高の癒しです。 皆さんも、万全の準備を整えた上で、この特別な景色に会いにいってみませんか。

ルートマップ・標高グラフ

Yamatavi

記事作成者

Yamatavi

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