北岳(南アルプス)・日本第二の高峰、雲上の稜線に刻む一歩

はじめに

日本で二番目に高い山、北岳。標高3,193mという天空の頂は、いつの日も登山者の心を捉えて離しません。今回は、花の季節を迎え、岩壁が朝日に燃える南アルプスの深淵に触れるべく、1泊2日の行程でこの巨峰に挑みました。

最近、左膝にわずかな違和感を覚えており、一抹の不安はありました。しかし「無理なら引き返そう」という穏やかな覚悟を胸に、広河原の静かな朝の空気の中へ足を踏み出しました。

Date

2025年07月04日(金)〜05日(土)

Weather

快晴のち雨(二日目晴)

Distance

14.3km

Ascent

1,948m

Descent

1,966m

Time

約11時間53分

山行レポート

広河原の爽やかな朝

06:20 広河原を出発

出発の朝は、見事なまでの快晴に恵まれました。吊り橋を渡り、登山道へ入るとひんやりとした森の空気が身体を包みます。標高差1,500mを超える長い登りの始まりです。

神秘的な白根御池

森に抱かれたオアシス

急坂をしのぎ、辿り着いた白根御池。鏡のような水面が、周囲の緑を鮮やかに映し出していました。これから始まる「草すべり」の激登りに備え、ここで一息つきます。

草すべりのお花畑と湧き上がるガス

斜面を彩る高山植物

草すべりの斜面は、まさに百花繚乱。しかし、高度を上げるにつれて急速にガスが湧き始め、景色は一変。幻想的でありながらも、山の気まぐれさを感じる瞬間です。

ガスに包まれた肩ノ小屋テント場

12:16 肩ノ小屋テント場

今宵の宿となる肩ノ小屋に到着。テントを設営し終える頃には、周囲は完全に深いガスの中へ。のんびりと過ごしたかったのですが、次第に雨も降り始め、静かな山の夜を迎えることとなりました。

鳳凰三山を染める暁の光

Day 2: 焦がれるような暁

翌朝、雨は止み、空を焦がすような見事な朝焼けが待っていました。鳳凰三山の向こう側から昇る光が、雲海をドラマチックに染め上げます。遠くに浮かぶ地蔵ヶ岳のオベリスクのシルエットが神々しい。

北岳山頂から望む富士山

06:00 日本第二の頂にて

ついに辿り着いた標高3,193m。山頂からは、雲海の上に悠然と浮かぶ富士山の姿を拝むことができました。日本一と二位の頂が対峙する、この場所でしか味わえない至福のひとときです。

迫力のバットレス第四尾根

峻烈なる岩壁を仰ぐ

下山は八本歯のコルを経由。北岳の象徴、大岩壁「バットレス」が眼前に迫ります。第四尾根がくっきりと浮かび上がり、その荒々しくも美しい姿に、南アルプスの奥深さを改めて実感しました。

雪渓のトラバース箇所

慎重に、一歩ずつ

左俣コースでは、7月上旬ということもあり雪渓がまだ多く残っていました。慎重にトラバースをこなします。膝の痛みを抱えながらの下りは、こうした難所での集中力が試されます。

下山時、賑わう白根御池

無事の下山を噛み締める

再び白根御池小屋まで戻ってきました。土曜日ということもあり、多くの登山者で賑わっています。膝の痛みを労わりながらの2日間でしたが、北岳の深遠な美しさに触れ、心からの充足感に包まれた山行となりました。

アクセスとアドバイス

駐車場・アクセス

今回は芦安駐車場を利用。週末は非常に混雑するため、バスの始発に合わせて早めに到着するのが吉です。乗り合いタクシーも運行されており、状況に応じて活用するとスムーズです。

装備への配慮

  • 膝サポーター:下山の左俣コースは梯子や急坂が多く、膝への負担が甚大です。不安な方は必須アイテムです。
  • 軽アイゼン:7月上旬の左俣は雪渓のトラバースがあります。足元に不安がある方は携行を推奨します。
  • ダブルストック:膝を労わるだけでなく、バランスを崩しやすい雪渓箇所でも有効です。

おわりに

膝の不安を抱えながらの山行でしたが、結果として無理のないペースで北岳の深遠な美しさに触れることができました。ガスの中の静寂、そして翌朝の燃えるような朝焼け。そのどれもが、日常では得られない心の充足を与えてくれました。

皆さんも、万全の準備を整えた上で、この特別な景色に会いにいってみませんか。言葉にできない感動が、そこには待っています。

Route Map & Elevation

Yamatavi

Article by

Yamatavi

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