はじめに
11月も終盤、冬の気配が色濃くなってきた週末。今回足を運んだのは、富士山の展望台として名高い天子山地の主峰・毛無山、そしてそこから繋がる雨ヶ岳です。
前日の雨の影響か、登山口に近い「ふもとっぱらキャンプ場」は多くのテントで賑わっているものの、いざ山道へと踏み込めば、そこには静寂そのものの世界が広がっていました。少しばかり「独り」の心もとなさを感じつつも、澄んだ空気の中で富士山と対峙する、そんな贅沢な時間を求めて歩き始めました。
日付
2025年11月28日
天候
快晴
歩行距離
20.3km
登り(累積)
1,518m
下り(累積)
1,520m
行動時間
9時間02分
山行レポート
06:49 道の駅朝霧高原を出発
朝の冷え込みが心地よい時刻。道の駅から東海自然歩道を伝って歩き始めます。まだ陽が低いこの時間、目の前の富士山は逆光に包まれていましたが、そのシルエットの大きさには改めて圧倒されます。
キャンプ場の賑わいを横目に
「ふもとっぱら」の脇を通り抜けます。金曜の朝だというのに、多くのテントが。焚き火の匂いが漂う中、自分は一人、これから始まる急登へと気持ちを切り替えていきました。
絶好のビューポイント
麓から見上げるよりもずっと険しい登りが続きますが、稜線手前の展望台にたどり着いた瞬間、その疲れは吹き飛びました。陽が回り始め、完璧な光に照らされた富士山が。これを見に来たんだ、と確信する瞬間です。
11:09 毛無山山頂(1,964m)
スタートから3時間強。麓から見ていた山容以上に、実際の登りはタフなものでした。山頂は静かな空気が流れており、しばし呼吸を整えながら、次なる目的地・雨ヶ岳へと続く稜線を眺めます。
12:46 雨ヶ岳山頂
毛無山からの稜線は比較的なだらかで、展望にも恵まれていました。雨ヶ岳山頂もまた、素晴らしい景色。富士山はもちろん、遠く伊豆半島まで見渡せるパノラマは、この山域ならではの魅力と言えるでしょう。
下山路の絶景
下山中、眼下には竜ヶ岳と、青く輝く本栖湖が姿を現しました。一歩一歩高度を下げるごとに景色が表情を変えていく、贅沢なトレイルでした。
アクセスとアドバイス
駐車場・移動
今回は「道の駅朝霧高原」を拠点としました。駐車場も広く、下山後に地元のお土産を選べるのも嬉しいポイントです。ただし、下山後に道の駅へと戻る遊歩道は、一部荒れている箇所がありました。安全を期すなら、直接道路経由で戻るルートも検討してみてください。
コース状況の注意
- 下りのコンディション:前日の雨の影響もあり、足元がドロドロで滑りやすい箇所が多かったです。段差も大きいため、ストックの使用をお勧めします。
- 装備への配慮:11月末のこの時期、稜線では一部凍結が見られました。軽アイゼン等を携行しておくと安心です。
- 体力:累積標高1,500mを超え、距離も長いため、十分な余裕を持った計画を。
おわりに
終わってみれば20キロを超える長丁場でしたが、終始富士山が優しく見守ってくれているような、そんな安心感のある山行でした。
登山道で出会ったのは、わずか二人。この時期の静かな山歩きは、自分自身と向き合うにはこれ以上ない環境です。泥だらけになった靴は大変な一日を物語っていますが、心には澄み渡った冬空のような、清々しい充実感が残っています。
富士の絶景を独り占めしたい。そんな方はぜひ、万全の準備を整えてこの天子の山々を歩いてみてください。
