静寂の北アルプスを求めて
北アルプスが最も賑わいを見せる盛夏の候。喧騒を離れ、静かに山と向き合いたいと考えた私が選んだのは、常念山脈の南端に位置する「大滝山」でした。
メジャーな山々に囲まれながらも、どこか控えめで落ち着いた佇まいを見せるこの山。今回は冷沢(つめたざわ)からの往復ルートで、安曇野の街を見下ろし、槍・穂高の勇姿を心ゆくまで堪能する一泊二日の旅に出かけました。
日付
2025年07月27日〜28日
天候
晴れのちガス
歩行距離
23.1km
登り(累積)
1,685m
下り(累積)
1,697m
行動時間
10時間32分
展望台からの朝焼け
三郷スカイラインの展望台にて、山行の幕開けを祝うような朝焼けに出会いました。眼下に広がる安曇野の街が、静かに目覚めていく様子は実に感動的です。
静かなる登山口
冷沢の登山口には、小屋の方のものと思われる車が停まっていました。ここから始まる登山道は、マイナーなルートとは思えないほど美しく整備されており、地元の方々の深い山への愛着を感じさせます。
深い緑に包まれた鍋冠山
標高2,194mの鍋冠山。山頂は樹林に囲まれ大きな展望はありませんが、北アルプスの懐の深さを感じる静謐な空間が広がっていました。
稜線を彩る高山植物
稜線へ飛び出す手前には、可憐なお花畑が広がっていました。カラマツソウなど、夏の盛りを告げる花々に励まされながら、最後の急登を越えていきます。
大滝山、天空のテント場
北峰の山頂付近が今夜の宿泊地。酷暑の中でのテント設営は流石に息が上がりましたが、ここから眺める景色を思えば疲れも吹き飛びます。
アーベントロートを待つ
夕暮れ時、ガスが切れた瞬間に姿を見せた穂高連峰。淡い光を纏いながら眠りにつこうとするその姿に、思わず見惚れてしまいました。
安曇野の街明かり
日が落ちると、眼下には安曇野の宝石を散りばめたような夜景が。標高2,600m超の地から眺める街の灯火は、現実離れした美しさです。
朝陽に輝く聖域
二日目の朝。眩い光とともに北アルプスの主峰たちが姿を現しました。朝日を浴びて神々しく輝く穂高連峰。この一瞬のためだけにでも、登ってくる価値があると言えるでしょう。
アクセスとアドバイス
駐車場とアプローチ
冷沢登山口までは三郷スカイラインから林道へ入ります。一部、路面状況がクロカン車向けと思われる箇所があるため、車高の低い車両は注意が必要です。駐車場にはトイレも併設されており便利です。
安全・装備のヒント
- ◆ クマ対策:当日はお会いしたハイカーからクマの目撃と警告があり、山小屋でも注意を受けました。鈴の携行や声出しなど十分な警戒が必要です。実際に私も子熊の目撃をしました。
- ◆ 整備状況:道は知名度の割に驚くほど良く整備されています。
おわりに
酷暑のなかでの登山となりましたが、膝の不安をよそに、静寂の大滝山は私を優しく迎え入れてくれました。
華やかな表銀座や槍・穂高の縦走路も素晴らしいですが、こうして一歩引いた場所から眺めるアルプスもまた格別です。静かな時間を過ごしたいすべての登山愛好家の方々に、自信を持っておすすめしたい名峰でした。ただし、熊には要注意です。
