2019年のゴールデンウィークの山行計画について・・・シリーズ全4回中3記事目一日目に戻る
本日の工程
北ノ俣岳山頂直下 --> 薬師岳 --> 北ノ俣岳山頂直下 (2019/05/04)
寝ている間のイグルーの崩落を危惧していたが、心配より疲れのほうが勝り、それなりに眠ることが出来た。
朝日を見ながら、のんびり目の時間を過ごす。
薬師岳に向けて出発する。日中の気温上昇により、崩壊が予測されたので、出発する時は、デポする荷物を入り口に出しておいた。それは幸いにも杞憂に終わるのだが。
北ノ俣岳から一気に下り、しばらくなだらかな稜線を行くとそこが太郎平小屋だ。小屋はこの連休期間中だけ営業していて、スキーヤーたちがのんびりと準備していた。
雪に埋まったテント場がある薬師峠を超え、巨大な薬師岳への怒涛の登りが始まる。
気温が上がってきて暑いのと、昨日の疲れが残っているのか、素晴らしい景色の割にやる気はイマイチで、ゆっくりと登ってゆく。私達以外の殆どは、太郎平小屋に泊まったスキーヤーたちで、なぜこんな遅い時間に登るのかと問うと、雪が緩んできた方が良いとのことだった。
雪が視界一面に豊富に残り、カールや緩斜面が多いこのあたりは、山スキーには最適だろう。
北ノ股からずっと眺望はよく、雲ノ平の向こうに赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、遠くには槍ヶ岳も見える。
それだけでも素晴らしい景色だったが、薬師岳の山頂に達すると、さらに景色は二倍に広がる。
剣・立山連峰が視界の目の前に現れ、遠くに白馬岳など、後立山連峰など山々も見渡すことができた。さながら北アルプスの裏側から全てを見渡す展望地だ。
立山から縦走してくるスキーヤーもいた。コアな山スキーヤーの間からはオートルートと呼ばれるルートだ。どれほど危険な道なのかはわからないが、自分の知らない雪稜を渡ってやってくる人には尊敬の念を覚える。
しばらく景色を堪能した後、もと来た道を下りにかかる。雪山の下りは早く、滑るように下ってゆく。
太郎平の小屋でビールを調達し、イグルーの待っているであろう北ノ股へ向かう。朝に降りてきた急登をゆっくり登る。やがてイグルーが見えてきた。無事だった。誰か見に来た跡があった。しかし、気温が上がってちょっと触れたら崩れそうだ。できるだけ触れないように気をつけなければいけない。
外にマットを敷いて、日が暮れるまで、雲の平と、それを取り囲む山々を眺めながら食事を楽しみ、ゆっくりと過ごした。
イグルーの内部は溶けた雪で天井につららがたくさんできていた。ブロックは心持ち小さくなっているが、夜になると再び固まって強固になっていた。二日目は慣れもあり、比較的安心して眠ることが出来た。