2019年のゴールデンウィークの山行計画について・・・シリーズ全4回中2記事目
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本日の工程
飛越新道登山口-->北ノ俣岳付近 (2019/05/03)
深夜、高山経由で神岡新道登山口(北ノ俣岳登山口)へ向かう。登山口から数キロ手前で土砂災害があり、車はそこまでしか行けなかった。そこに並んでいる車の列に合わせて路上駐車する。
まだまだ雪が多い時期とはいえ、折立には車で行けない事からか、それなりに車は泊まっていた。とはいえ、早朝でも二十台にも満たなかったと思う。
準備を済ませ、登り始める。土砂崩れにより立ちはだかる大木は、道路の反対側のガードレールをなぎ倒し、それによってできた土手を歩くように通過した。
林道を歩くと徐々に雪が出てきて、昨年より積雪が多いことが示唆された。
ワイン樽のように閉じられた飛越トンネルの手前に登山口はある。
はじめから雪でルートがなくなっているが、適当によじ登って本来のルートを見つける。まだ雪は少し硬いけれど、まだアイゼンは出したくない。
この時期は色々なルートが造られ、上手いことショートカットできる場合も多い。寺地山はいつの間にか巻いていた。このあたりから眺めが良くなり、向かう先の稜線がはっきりと見渡せる。
もうしばらく進むと、急に樹木がなくなり、右手に樹林で隠れた避難小屋がある。登っている方向からだと分からずに通り過ぎそうだ。
避難小屋は土台が劣化している為、使用禁止ということであった。
避難小屋の下には水が出ているので、そこで水を補給し、スキー場のような広い斜面を登り始める。
それなりに急で、また地面からの反射で暑いが、足を止めるとひんやりした風が心地よい。
最後の急登を上り詰めると、無事に北ノ俣岳山頂のすぐそばに出る。
北アルプス深部がその姿を表す。のだが、この時は晴れているものの雲が多く、微妙な天気だった。
思ったより少しは早く到着したのだが、すぐにイグルー作成に取り掛かった。あるサイトでは慣れればテントと同じような時間でイグルーを建てる事ができるとあるが、なにぶん未知だった。
下の方に使うブロックは大きく切り出す必要がある。時期的に、雪が多く水分を含み、重かった。また、少し掘ると固くてノコが通らなかったり、徐々にげんなりしてきた。
日が傾いてからは暑かった昼間とは対照的に、どんどんと冷えてくる。手袋をしていないと手が悴むほどだ。動いていても寒いのでジャケット着る。
屋根になるように崩さないように徐々に幅を狭めてゆくのが難しかった。
相当な土木作業となったが、日が沈む前にはなんとか完成。しかし、その頃には相当な時間が建っていた。5-6時間はかかっただろう。
あの重かったブロックを思うと、崩れてきたらひとたまりも無いなあと思い躊躇される。しかし、選択肢はもうあまりなかった。
日が沈み、赤く染まった山々が暗くなってゆく様を見ながら、夕食をとる。今日のメインはほぼイグルー作りにあったと思う。8時間の登りはアプローチだったように思える。
夕食を食べ終え、あたりが暗くなり、かなり冷えてきた頃には、不安定に見えたブロックは固まり始め、少しは安心できるようになった。