スゴ乗越から五色ヶ原・・
この記事は2019年のお盆休みに実行した長期縦走の記録の二日目です。
本日の工程
スゴ乗越-->五色ヶ原 (2019/08/11)
スゴ乗越小屋のキャンプ場で目覚める。周りが騒がしい気がしていたが、少し離れているので静かに眠ることができた。目が冷めてテントがたくさん貼っていた場所に戻ると、既に誰もいなかった。ただ唯一、昨日の三人組が、ああ、おはようございますと言いながらテントを干していた。
最近は特に長い工程でなくてもAM3時とかに起きて行く人が多いようだ。これも昼にはテント場がいっぱいになってしまう原因かもしれない。早出早着が基本というが、これはどちらかというと争奪戦。昼についても暑いだけで、一日がもったいないが、これが今の夏山なのかなと理解するとどこか残念に思う。
彼らもそんな流れに影響されないみたいでどこか安心した。私も自分の時間でバッチリテントを乾かしてからスタートした。彼ら3人より更にずっと遅れて出発は9時になっていた。
スゴのキャンプ指定地の端に登山道の入口があった。そこから道は更に下り、目の前にそびえるスゴの頭が更に高くなって見える。まもなく最鞍部に辿り着いた。座りやすい岩が多い休憩適地。既に下りでも汗がでるぐらい暑くなっていた。
スゴの頭に向けて急峻な岩場を登り始める、五色ヶ原からやってくる人とすれ違う。太郎平に行く人が多いのだろうが、一日に長くを歩くのが難しいテント装備の人は、今私が出てきたばかりのスゴ乗越キャンプ指定地を今日の目標としている人もいた。このままだと午前中に到着してしまうだろうが、それでも指定地の空きを心配している人もいた。午後の時間を全て場所取りに当ててもったいなくは無いのだろうか。とも思うが、心配する気持ちも分かる。午後は酒でも飲んでのんびりと、と割り切りますよー。でもじっとしてても暑いですよねーと。愚痴のような会話をしながらすれ違う。
スゴの頭に着くまでに沢山の人とすれ違った。その頂でもそれなりに多くの人が休憩したいた。五色の山荘のアルバイトを終え、大きな荷物を背負って縦走しながら下山する女の子に今日の五色ヶ原キャンプ場の情報を聞く。人は多くても場所柄限定的だし、多少多くてもキャパがあるからあまり心配することは無いそうだ。
次の越中沢岳を目指す為にまた登り返すが、今度はなだらかな上りだ。ぼーっとしていると道がわかりにくい箇所もあり、気を入れ直す。徐々に人すれ違う人が減ってきた。その代わり、自分と同じ方向に進む人に出会った。
彼は今日薬師岳山荘を早朝に出発して追いついてきていた。上高地から縦走してきていて、どこか親近感というか懐かしさを感じる。似たようなペースだったので、この日は彼と連れあう事になった。のんびりと休憩に時間をとり、縦走を楽しんだ。
立山の迫力ある山塊と、その手前のスキー場のような五色ヶ原が近づいてくる。開放的な景観と緑が周りに広がり、花もまだたくさん残っている。五色ヶ原に近づくとアルプスらしい景観に変わって来るのが分かる。
越中沢岳から鳶山までは穏やかな登りだった。頂上の眺めは良いとはいえず、少し下ったところで休んだ。
朝からのんびりした工程であったが、この日は昼過ぎに五色ヶ原に到着した。山荘でテントの受付をする時に今日も混みそうだが譲り合ってね。と言われる。小屋ランチを楽しみにしていたが、ココはやっていないようだ。
少し休もうと思ったが、受付の人の混むとの言葉が気になってまずはテント場に向かう。10分ぐらい木道の道を下ると広いテント場が見えた。
スゴに比べ広く、一つ一つのテントが近接しないように張れる様になっている良い幕営地だった。スゴならいっぱいだったかもしれないが、テントはまだまばらで、お互いに好きな場所にテントをはり、水量豊富な水場で体を拭き、山荘に出かける。ビールを購入し、山荘前のベンチで語りながら午後の残りの時間を有意義に過ごす。夕方になってくると徐々に雲が増えてきて、肌寒くなってきた。テント場に戻ると、ちょうど雨がパラパラと降ってきた。今晩は雨の予報だった。
天気雨のような雨は降ったり止んだりを繰り替えしたが、本格的に降り出す事は無かった。明日以降の天気、特に台風の動向が心配で、天気を何度もチェックした。テント場はなんとか電波が繋がるのが幸いだ。
進路が決まらない台風による予報の不確実さがあったが、徐々に予測が建てられるようになってきた。明日は読売新道方面へ足をすすめると決めた。但し、奥黒部ヒュッテで一泊してのんびりするほど台風は待ってくれなそうだった。明日は一気に赤牛岳を目指して行けるところまで行く事に決めた。
ふと思い出し、明日渡らなけらばならない、黒部湖の渡し船の時間を調べ直す。朝6時が始発だが早すぎる。しかし、次の便は10時だった。それでは読売新道を登り返した際に森林限界を超えることすらできないかもしれない。微妙に悩みつつも6時の船にまにあう時間、2:30に起きれるように眠りについた。