劔岳・大日岳縦走(二日目)

標高差2200m超、早月尾根からの劔岳、二日目に奥大日岳に行って称名滝に下山する。アルペンルートを使わない立山山域縦走。雨と紅葉と絶景と。・・・シリーズ全2回中2記事目 >>一日目はこちら

本日の工程
 劔御前 --> 奥大日岳 --> 称名滝   (2018/10/08)
ルート図はクリックで拡大

早朝、夜が明ける頃に出発する。とは行っても5:30頃。もう秋である。まだ薄暗いうちに出発するようにしたつもりが、そうこうしている間に明るくなってしまった。
昨日の夕方ほど寒くなく、薄いウィンドブレーカを羽織って出発したが、すぐに脱ぐ事になったほどだ。

劔御前小屋付近からの地獄谷

背後を立山に遮られ、日が当たり始めるのは遅かった。しかし、日が当たり始めた対岸の弥陀ヶ原の景色は素晴らしかった。

朝日が当たる天狗平/弥陀ヶ原

サイズ感とフラットな傾斜を持った雄大な景観は日本の中でも随一のものだと思う。その景色を横に見ながら、トレイルは続いてゆく。

天狗平/弥陀ヶ原

我々が歩く稜線との間には地割れのような谷があり、その壁面は紅葉で賑わっているようだった。
反対側の右側に目を向けると、昨日登ってきた劔だけと早月尾根が峻険なシルエットとなっていた。

奥大日岳山頂付近からの劔岳
早月尾根は左側に伸びている

やがて奥大日岳に到着。山頂で少し栄養補給をしたりして小休止する。

奥大日岳から大日小屋へは登り返しがある。地図上のコースタイムでは大した事無さそうだったが、そこから感じたよりは大変な登り返しだった。

最低部手前にて。一番右が大日岳。その左の鞍部に大日小屋が見える。

大日小屋への登り返しの途中で立山雄山を振り返る

登り切ったところは少し庭園のようになっていて、紅葉の具合も良くて綺麗だった。そのフラットなエリアを超えるとすぐ下に大日小屋が見えてくる。

七福園
大日小屋と背後に大日岳

大日小屋は昨日までだったようで、小屋閉め作業を行なっていた。ベンチで小休止。大日岳に登る母親に待てを食らって暇そうな子供の相手や、地元富山から登って来た元気な学生と話したりしたのを覚えている。
この辺りまでは主に地元の人の日帰りコースなのかもしれないと思った。

大日平と弥陀ヶ原(大日小屋付近より)

大日小屋から下り始めると眼下に大日平と、地割れの向こうに弥陀ヶ原が雄大な景色を見せていた。紅葉の最盛期には少し遅かったのが残念だ。
急な下り坂の道は直ぐに低い樹林帯に入り、沢と交差しながら降りてゆく。水場は久々に見た。昨日までの静けさと比べて、たくさんの人とすれ違うように感じる。

ガスが湧きだす大日平

急な下りを終え、大日平に経つ頃には少しガスが出始めているのが見えた。ちらほらと紅葉が残り、悪くない景色だ。木道になっており、その脇に設けられたベンチで老父婦がピクニックをしている。振り返ると、先までいた大日小屋が高いところに見えた。

大日岳と大日小屋を仰ぎ見る(大日平より)

大日平の端には大日平山荘が立っている。下から登って来た人で賑わっていた。その小屋の裏から少し歩くと、対岸の弥陀ヶ原の下の崖に滝が見えるポイントがある。谷の紅葉が綺麗だった。

不動滝(右奥)

大日平山荘からしばらく大日平を下る。この辺りは先のガスが滞留していて、視界は良くなかった。木道を登ってくる人たちとすれ違いながら下ってゆく

ほぼ平坦に思える下りだったが、大日平末端の牛首を超えると、突然梯子が現れる。そこから先は最後まで比較的急坂が続く

紅葉(牛首付近)

牛首付近(1600m)の紅葉が今、全盛期を迎えていた。植生に詳しくない私にとって、これぐらいの標高になると、高山でなくても見れそうな景色ではあるが、高山と違い、背の高く、葉の多い樹木の紅葉はやはり賑やかだ。

その後は普通の山道の下りが続き、やがて車道に出る。そこが大日岳登山道入り口だ。

下山口付近より称名滝方面

登山口の俗称としても使われている称名滝は登山道の入り口から少し立山側に戻ったところにある。駐車場はさらに手前にあり、たくさんの観光客が歩いてゆく。
バスまではまだ時間があったので、私たちも時間潰しに見に行ったがこれが見事な滝だった。

称名滝

バスの時間に合わせて登山口からしばらく降りたところにある駐車場に向かう。思った程バスを待っている人たちは少なく、隣に荷物を置けるぐらい空いていた。それでも多いなぁと運転手がつぶやいていたような気がする。
バスに乗り立山駅に戻り、そこに置いてあった友人の車に乗り、馬場島に停めてある自分の車を回収して帰途についた。

初日は残念な天気だったが、夕方から二日目は絶好の天気だった。有名な立山山域の中でも一度も通った事のないルートが大半を占めていてとても新鮮であった。

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